クリニック増築設計・計画:設計プロセス 5〜建築設計において非常に重要な消防法〜|東京の建築設計

query_builder 2024/09/24
施設設計プロセス
YDS

クリニックを経営する「大地震などの非常時に患者を守りたい」という意志の強い思い。

非常時での対応のために、「軽油発電機の設置」を熱望していました。

大地震の際に停電した際は、患者の生命に危機が及ぶ可能性があるからです。

医師は、

「なんとか、敷地内に
軽油発電機を設置したい・・・」

という強い希望を持っていました。

「大きな設備機器」とは言え、建物と比較すれば「小さな箱」に過ぎない軽油発電機。

一方で、この小さな軽油発電機を「きちんと適法に設置する」ことは大変なことでした。

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軽油発電機のサイズにもよりますが「軽油」がある以上、危険物となります。

そのため、まずは消防署との協議が必要となります。

全ての建築確認申請において、消防署による「消防同意」が必要です。

消防署というと、火事・地震などの災害時に大事な組織であるように思えるかも知れません。

各地域の消防署には「予防課」という部署があり、文字通り「災害を予防」する担当です。

「災害の予防」のためには、「建築の消防法への適合性」が大事であり、この審査を司るのが消防署予防課です。

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建築・建物を建てると、その中に「人が居住する」ことになるため、消防署としては、

「建物を建てる際には、
我々に相談して頂きたい。

そして、建築確認申請には
私たち所轄消防署の同意が必要です。」

戸建住宅等小規模な建築確認申請では、消防署との事前協議は不要です。

一方で、マンションや幼稚園等比較的規模が大きな建築設計の際には、消防署との協議は必須であり、極めて重要です。

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消防署との協議は、消防法などの法令が基準になりますが、「所轄消防署の見解」が優先されます。

そのため、「自分自身が消防法等をよく理解している」場合でも、事前協議は必須となります。

大規模な設計の場合は、自治体・建築確認審査機関・消防署と協議する必要があります。


建築設計・計画の際の協議先(比較的大規模)

1.自治体(区・市等)

2.指定建築確認審査機関(法令解釈によっては所轄建築主事・建築審査(指導)課

3.所轄消防署


基本的には、まず自治体と協議を進め、条例等の扱いに関する確認や協議を進めます。

そして、建築設計をスタートしてゆく過程で、様々な建築基準法との適合性が問題になります。

そこで、指定建築確認審査機関や建築審査課等と協議してゆくことになります。

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所轄消防署との協議は「並行して行われる」ことが多いですが、多くは「少し後」となります。

全て並行して行うことが望ましいですが、ある程度、設計図がないと消防との協議は進めにくいです。

そのため、消防署との協議は、「ある程度計画が固まり、設計図書が出来てきた頃」に行います。


ただし、大きな計画変更が発生しないように、事前に調べたり協議することはあります。

「消防法に適合しない」と「適合するように計画変更」する必要が発生します。 そのような事態にはならないように、細心の注意を払いながら設計を進めてゆきます。

今回は「少量危険物貯蔵庫」の扱いになることもあり、遵法性最優先です。

そして、まずは消防署と協議を進めることにしました。

次回はこちらです。

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