逆転完全勝利した裁判例05〜「正しい」ことが前提の裁判の書証の真偽性を疑う姿勢〜

query_builder 2026/07/30
コンサルティング
YDS

前回は、私たちが建築裁判で完全勝利するコンサルティングを行った際、原告の最大の根拠=「工事請負契約書」が偽造であることを主張した話をしました。


前回の話はこちら


今回は、書証として提出された「工事請負契約書」を「偽造である」と見破り、その主張をして、裁判の流れを変えた話をご紹介します。

私たちが建築コンサルティングとして協力したのは、下記の裁判の被告側でした。


裁判:損害賠償請求裁判H

原告:有名不動産会社T

被告:複数の店舗を運営する会社A

損害の理由:Tが推進した都市再開発事業において、Aが立ち退き期限以降も店舗を運営し続け、Aの店舗運営のために、追加工事が発生

損害の書証:追加工事の工事請負契約書


本裁判は、構図が極めて分かりやすいです。

「被告が立ち退かなかった

→そのため原告は追加工事を行う必要に迫られた

→その工事費用(損害額)の根拠は、この工事請負契約書

→だから、原告は、この損害賠償額を求める」

という流れは、裁判のストーリーとして極めて論理性が高いです。

そして、裁判において、裁判官は「契約」を極めて重視する傾向があります。

確かに「契約」が重い行為であることは、仕事をしていれば分かりますが、裁判においては「契約は絶対」とも言えます。

この裁判は、裁判開始後、一回目の期日の2月ほど前に私たちに建築コンサルティングの依頼がありました。

ご依頼後、私たちは、すべての書証、関係資料を早期にチェックし終わりましたが、この時点で「工事請負契約書」に強い疑念を持っていました。

私たちは、依頼人(被告)の要望で、裁判を傍聴しましたが、原告側代理人の弁護士は、極めて強気であり、法廷で大声を上げていたのが印象的でした。

その時は、「強気の理由」が不明でしたが、後になって分かったことは、原告側代理人にとって、いわば「勝ち筋の裁判」だったようです。

つまり、論理性が高く、書証が万全である以上、「押せば勝てる」裁判だったようです。


私たちが、建築コンサルティングを開始して、3〜4ヶ月後の期日では、被告側代理人が早々に「敗北宣言」することに至ってしまいました。

ここで、私たちは、「原告の主張の根幹」である、疑惑の「工事請負契約書」を攻撃することが、最大のポイントであることを依頼人に伝えました。

「このままでは敗訴確実」の中、私たちが意見書を提出し、「損害の根拠である工事請負契約書」が偽造である指摘を行いました。


一般的に、裁判に提出される書証は、「すべて正当」という前提で、裁判官は裁判の訴訟指揮を行います。

そのため、それまでの裁判官の訴訟指揮において「正当」とされていた、「工事請負契約書の偽造可能性の強い指摘」に対して、裁判官の心証に大きな影響を与えました。

これは当然のことであり、裁判において「書証の偽造」は論外だからです。

もちろん、私たちが「この工事請負契約書は偽造の可能性が高い」と主張した所で、裁判官は「そうかもしれませんね」とは絶対に言いません。

そもそも、裁判官は、裁判が進むにつれて「心証を述べる」時期まで1年程度はかかることが多いです。

そのため、私たちの意見書を出した直後の期日において、裁判官は、「工事請負契約書の偽造疑惑」に関しては、ノーコメントでした。

ここで、「敗訴直行」だった裁判の動きが少し停滞したのは、私たちも感じました。

次回は、私たちが「工事請負契約書に強い疑念を持った」理由をご説明します。


現在、私たちは10件以上の建築コンサルティングを行っており、これまでに数十件の建築裁判に関わりました。

中には、私たちの意見や指摘が通らなかった裁判もありますが、90%以上の裁判において、私たちの意見書が高い効果を上げています。

「判例主義」の裁判において、「そもそもの問題点」を私たちは指摘し、依頼人のお役に立つ自信があります。

建築・不動産裁判で上手く行かない時は、一度メールにてご連絡ください、

まずは、有料の事前相談にお越しいただき、その上で、意見書作成やコンサルティングを丹念に行います。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


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