逆転完全勝利した裁判例05〜損害の根拠「工事請負契約書」を攻撃〜

query_builder 2026/07/14
コンサルティング
東京地裁01ma

前回は、私たちが建築裁判で完全勝利するコンサルティングを行った際、原告が「損害の最大根拠としている書証」を「潰した」話をしました。


前回の話はこちら


今回は、その具体的な戦略をお話しする前に、裁判における書証の扱いに関する話をします。

筆者は、建築や不動産の裁判に関するコンサルティング業務を10年以上おこなった経験があります。

コンサルティング業務には、下記のような業務があります。


建築や不動産の裁判に関するコンサルティング

1.裁判に関する意見書作成

2.資料作成

3.相手方書面に対する反論・当方代理人弁護士作成の準備書面作成協力

4.打ち合わせ(web面談が中心)

5.現地調査

6.文献調査

7.裁判傍聴


業務は、上記内容以外にも、依頼人のご要望に応じて、他の業務を行うこともあります。

元々は、設計監理業務が業務であり、建築コンサルティングを開始したきっかけは、中学・高校・大学の同級生の弁護士からの相談でした。

そのため、業務を開始した当初は、「意見書のみ」の業務が多かったの現実です。

そして、現在は「意見書作成等を含め、一定期間(多くは結審又は和解まで)コンサルティング」が多いです。

その理由は、私たちが、いかにきちんとした、正当性の高い意見書を作成しても、相手方が必ず反論してくるため、フォローアップが必要だからです。


建築・不動産の裁判に関しては、かなり知見を持つに至った自信があります。

ここで、裁判においては、一般の人が考えているよりも「書類ベース」である事実は、裁判をお考えの方、或いは裁判の当事者(原告、又は被告)は、よく認識しておくべきです。

この「書類ベース」である事実は、弁護士・裁判官などの法曹関係者の視点から見れば、「当然のこと」かもしれませんが、私たちは、慣れるまでは大いなる違和感を感じました。

何でもかんでも、「全ては書面」であるのが「裁判の現場」です。


「書類ベース」ということは、提出される主張である準備書面に対しては、様々な反論や指摘などが行われますが、その反面、証拠である書証に対しては、「全てが正しい」前提で裁判は進みます。

ここで、「書証が正しい」ことは、本来当然のことですが、注意が必要です。

なぜならば、「書証が誤り」である事態に、私たちは何度も遭遇しているからです。

ここで、「書証が誤り」であることが、「過失」なのか「故意」なのかは、状況によります。

「過失」であれば、一部やむを得ない面がありますが、私たちが見るところ、「故意」に「書証が誤り」であるとしか考えられない事態も多数ありました。

この点では、私たちは、建築や不動産の裁判によらず、裁判所は、「書証の真偽性を判断すべき」と考えます。

なぜならば、「書証が誤り」である場合、「誤った書証を根拠に主張」することになります。

すると、この「誤った書証を根拠に主張」が、「正しい」はずはありません。

ところが、裁判所は、「提出された書証は全て正しい」という姿勢を貫きます。

私たちは、この点は「裁判所の大きな問題」と考えます。


ここで、原告が「損害の最大根拠としている書証」を「潰した」話をご紹介します。

この時の損害賠償裁判では、原告が最大の根拠とした書証は、「損害の根拠」となる「被告に起因する工事契約書」でした。

このシナリオは、裁判官にとって「極めて分かりやすい」構図です。

「被告が悪い

→そのため原告はやむ得ず工事をせざるを得なかった

→その工事費用(損害額)の根拠は、この工事請負契約書

→だから、原告は、この損害賠償額を求める」

という流れは、裁判のストーリーとして明快過ぎるのです。

そのため、この裁判では、私たちが応援する被告側代理人が早々に「敗北宣言」することに至ってしまいました。


ここで、私たちは、書証を全てチェックした結果、原告の最大の根拠=「工事請負契約書」が偽造であることを見抜きました。

そして、裁判で繰り返し、「当該書証は偽造」を主張した結果、流れを変え、「完全敗訴の流れ」を「当方有利な和解」に持ってゆくことが出来ました。

もちろん、裁判所は「偽造である」とは言いませんでしたが、「原告の姿勢に対して、疑惑をもっている」心証を、被告代理人は感じたようです。

ある意味では、「逆転完全勝訴」に近い状況であり、依頼主にも大変喜んで頂きました。

次回は、具体的に、偽造と思われる「工事請負契約書」の話をご紹介します。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


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