建築紛争・瑕疵裁判で「勝つ」ために効果的な瑕疵一覧表のまとめ方〜建築裁判のポイントと「あるべき施工とその根拠」の問題点〜|東京の建築設計

query_builder 2020/06/25
コンサルティング
YDS建築研究所

建築工事の瑕疵に関する紛争・トラブルは多いです。

建築裁判において、裁判所から「瑕疵一覧表」の提出を求められることがあります。

これは「瑕疵を一覧にして、論点を明確にしたい」という裁判官の考えがもとです。

書証や証拠をもとにテキパキと裁判を進める裁判官。

訴状や準備書面においては、一級建築士が作成した「調査報告書」を根拠に裁判を指揮します。

これら「調査報告書」を作成する一級建築士は、瑕疵を見つける点においてベテランです。

そのため、雛形が決まっていて論点は明確です。


これら調査報告書と準備書面を見れば、ベテランの裁判官にとっては「何が瑕疵で、どういう問題になっているか」は一目瞭然です。

裁判を進行する裁判官の頭が、いつも考えていることがあります。

それは「どのような問題がどの程度あり、原告と被告の間で、どこで折り合うのがベストか」です。

裁判においては、多くの場合は裁判所から提示された和解案をベースに和解します。

その和解案をまとめる裁判官には、非常に大きな責務があります。

建築の瑕疵に関する損害賠償額は、1億円を超えることが多く、そのため和解案の金額もある程度の金額となります。

裁判官としては「和解案を作成する」ためには「そもそも、どのような瑕疵があるのか」を明確に認識する必要があります。

そして、個別に「どの程度損害を認めるか」を判断します。


そこで裁判官にとって必要不可欠であり、極めて大事な書類が「瑕疵一覧表」となります。

この瑕疵一覧表を見ながら、原告・被告双方の書面・書証をもとに、各瑕疵の項目をチェックしてゆきます。

瑕疵一覧表において、各瑕疵を個別に評価して、ランク付けしているのでしょう。

裁判官が「裁判を採点するために必要である」面が強い瑕疵一覧表。

裁判所によっては、提出を強く要請・あるいは義務付けていることもあります。

この瑕疵一覧表には、調査報告書や訴状で記載した瑕疵を明確に記載する必要があります。


ここで大事なことは、出来るだけ簡潔に瑕疵の内容を記載することです。

簡潔に記載して、裁判官に分かりやすい書類であることが大事です。

瑕疵一覧表に記載する瑕疵は、明確な瑕疵を端的に示すことが大事です。

瑕疵の根拠は訴状・準備書面・調査報告書に詳細に記載しますが、一覧表には簡単にして「裁判官が理解しやすい」ようにすると良いでしょう。


根拠は「あるべき施工とその根拠」です。

瑕疵を申し立てる側は「瑕疵一覧表の瑕疵は簡潔に記載」しますが、反対に「瑕疵を申し立てられる側」からすると、この「瑕疵一覧表の瑕疵」を一つ一つ反論する必要があります。

この「あるべき施工とその根拠」は問題点が多いのが実情です。

設計者の視点から考えると、そもそも「あるべき施工」というのは「存在しない」ことです。 

「あるべき施工」の根拠となることが多いのが、日本建築学会などの諸学会が作成する「指針」やメーカーの「基本納まり図」です。 一方で、「指針」は文字通り「指針」でしかなく、建築基準法等に明記された事柄ではありません。

メーカーの「基本納まり図」は設計者・施工者の考え方次第では、「ある程度変更しても良い」内容です。


建築の工事や材料には「認定書に基づく施工」があり、「認定書」の仕様・工事の仕方には従う必要があります。

「指針」や「基本納まり図」は文字通り「基本的事項」に過ぎません。

具体的な設計や工事の方法は主に建築士・設計者が判断することです。

「指針」は、確かに従った方が良い面がありますが、意匠・デザインと比較して、建築士・設計者が判断すべきことです。

このように「あるべき施工とその根拠」には不明瞭な点が多く、「不明瞭な根拠で裁判が進行する」こともあります。

相手方から調査報告書・瑕疵一覧表と共に「あるべき施工とその根拠」が提示された時には、明確な反論を行うために、「あるべき施工とその根拠」の正当性を判断する必要があります。

それは、建築実務のことをご存じない弁護士の方々では不可能です。

早い段階で経験豊富な一級建築士に相談し、意見書にまとめることが、建築紛争・瑕疵裁判で「勝つ」ために最も大事なことです。

大手の会社に勤務している一級建築士の方に相談しても良いですが、設計のことを詳しく知っているのは、実は中小規模のの建築設計会社・事務所の代表者またはパートナークラスです。

彼らは、責任持って一つ一つの建物を設計しているので、全ての実務に詳しいのです。

大手に勤務している建築士の方もまた経験豊富ですが、どうしても大規模な組織は「分業体制」となってしまいます。

建築実務に精通している建築士に相談することをお勧めします。

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TEL:03-6272-5572


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