先制攻撃すべき建築裁判〜山崎の合戦の羽柴秀吉の「先手必勝」戦法〜|建築裁判と戦略7
建築裁判のコンサルティングを行っていると、
実務上、「不合理で明らかにおかしい」書類や、
「この設計図書は、 裁判のために作られた書類だな・・・」
実務プロセスや時系列などから、明らかに「裁判のために作られた=偽造した」書類も見かけます。 これらの「確実に不合理である書類」を叩くことは、極めて効果的で、大事です。
「書証の不合理な点」を、しっかり指摘し、相手方の主張の問題点を叩くことは、裁判を有利にすることにつながります。
中には、不思議な弁護士もいらっしゃいます。
いつもの通り、「不合理である書類」「偽造である設計図書」を指摘すると、
「その主張は、相手方に〜の書面を 出してもらってからの方が、効果的ですね・・・
そこで、この主張は、 先送りさせて頂きます・・・」
せっかく指摘した「重要事項」や「根幹となる不合理な事実」を「先送りする」弁護士がいました。
結局、この弁護士の「極めて重大な根幹的誤判断」により、裁判は大きく不利となってしまいました。
織田家重臣 羽柴秀吉(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)
本能寺の変直後、羽柴(豊臣)秀吉が「中国大返し」をして、京へ舞い戻りました。
「逆賊明智を
打ち滅ぼすのだ!」
こう考えた秀吉。
「考えられないスピード」で京へ進撃したのが、羽柴秀吉率いる羽柴軍でした。
明智光秀(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)
「な、なぜ、
羽柴が・・・」
明智光秀は、「完全に想定外の事態」に驚愕したことでしょう。
明智光秀が「秀吉の異常なスピード」を理解できなかったのは、当然でありました。
「光秀、この秀吉と
天下分け目の勝負だ!」
こう考えた秀吉に対して、
「やむを得ん・・・
羽柴を迎え撃つ・・・」
やむなく秀吉を京付近の山崎で迎え撃った明智軍。
山崎の合戦で明智光秀を滅ぼした羽柴秀吉は、そのまま「天下人の階段」を駆け上がりました。
「とにかく、急ぎ京へ
行き、明智と対峙するのが最優先だ!」
秀吉は「動物的な勘」で、「京へ向かうことが最優先である」ことに気づいたのでした。
ここで、秀吉が、
「明智と戦う体制を
整えて、万全を期す!」
このように考えて、急ぎ京へ舞い戻り、明智軍と決戦をしなかった「ifの歴史」だったら。
「明智の天下」となっていた可能性もありました。
秀吉の「先手必勝」戦法に限らず、合戦や戦争では「とにかく早々に攻撃」が重要です。
そして、それは「裁判という名の戦争」においても、同様と考えます。
刀剣博物館(YDS建築研究所)
弁護士が「不合理である書類」「偽造である設計図書」を先送りする場合は、後々不利に働く可能性が大きいです。
この場合は、依頼主もしっかりと弁護士に主張して、早めに大事な主張は出すように要請すべきです。
それでも、弁護士が「意に沿わない書面」を作成する場合は、代理人交代も視野に入れた方が良いでしょう。
山崎の合戦の際の羽柴秀吉と同様に、何事も「先手必勝」であり、有利な主張は早々に行うべきと考えます。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F
TEL:03-6272-5572
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