建設業法違反取締を強化すべき国交省〜建築紛争と不動産紛争〜|法律違反と役所1
これまでに、多数の建築裁判・不動産裁判等に関わってきました。
裁判所の存在は、多くの人が知っていますが、なかなか「裁判所と関わる」経験はありません。
10年ほど前までは、筆者も「裁判所とは一切関わりを持ったことがない」人の一人でした。
きっかけは、中学以来の友人の弁護士からのSOSで、これまでに多数の建築紛争に関わりました。
「建築のことで
紛争があるのだけど、協力して欲しい。」
このような連絡に対して、
「了解です!
書類や資料を全てチェックします。」
すぐに、力になることを約束しました。
建築紛争や不動産紛争に関する相談を受け、まずは書類・資料・設計図書などを全てチェックします。
「この資料が
おかしいな・・・」
そして、書類を見ると、すぐに「不自然な点」が多数あることに気づきました。
紛争になる場合は、大抵は「不自然な書類」があり、それを指摘するのが私たち建築士の役割です。
建築紛争や不動産紛争は、「裁判になる」前に代理人同士で話し合いが行われることも多いです。
そして、「代理人同士の話し合い」の結果、裁判に至る前に解決することも多いです。
「裁判に至る前に双方が納得する」形で「話がつく」のもまた、弁護士の役割として大事です。
裁判になる前に話し合いがつけば良いですが、裁判に至ることが多いのが建築や不動産の紛争です。
一般の裁判と比較すると、損害賠償額が大きい傾向がある建築裁判や不動産裁判。
多くは、損害賠償事件となり、「一億円以上の額が争われる」ことも多いのが現実です。
一億円以上の金額が争われた建築裁判のコンサルティングをしていて、
「この工事請負契約書は
おかしい・・・」
工事請負契約書の締結日が、工事完了後でした。
ある建築裁判の書証(証拠)として、相手方(原告)から提出された工事請負契約書。
筆者は、「訴えられた側=被告側」として業務を受けました。
原告側弁護士の主張は、
「被告のせいで、この工事をする
必要があった!」
「そして、原告はこの工事を別途に
発注せざるを得なかった!」
「その別途(追加)工事発注の書証が
この工事請負契約書です!」
被告の行為が原因で、「何らかの別途工事をする必要」があったと主張した相手方弁護士。
裁判において、最も大事なことの一つが「因果関係」です。
追加工事発注の因果関係
1.被告の行為によって、新たな別途(追加)工事が必要となった事実
→2.その別途(追加)工事を実際に行った事実
→3.その別途(追加)工事の費用を原告が支払った事実:損害
上のように、「事実の流れ」が因果関係となります。
そして、それぞれのプロセスにおいて、立証する責務が原告にはあります。
裁判においては、契約書は非常に強い存在であり、このことは「法曹界の常識」のようです。
そして、上の「1と2の事実」の立証として工事請負契約書が登場しました。
ところが、この別途(追加)工事の工事請負契約は、本来は「工事着工前になされるべき」です。
そして、この着工前に「工事請負契約書を締結する」という当たり前のことは、国交省作成の「建設業法のガイドライン」にも明記されています。
この問題点に対して、私たちは、
「この工事請負契約書は
裁判のために作られた、と考えます。
書証として、問題があることを
裁判で主張すべきです。」
代理人弁護士に伝える、
「そのような事実があるなら、
書面で主張しましょう。」
裁判において、「工事請負契約書の書証としての問題点」を担当弁護士に主張してもらいました。
ここで、私たちは「建設業法を所管する国交省に通報すべき」と考えました。
そして、国交省に電話してアポを取り、説明に向かいました。
国交省において、状況や書類を説明し、
「この工事請負契約書は
建設業法違反と考えますが・・・」
すると、国交省担当者の回答は、
「確かにその可能性が
高いですね・・・
この書類は預からせて頂きます。」
これらの通報に対して、役所は「何をする」ということを「言えない」立場のようです。
それはやむ得ないことですが、この通報の結果「直ちに建設業法違反」とはなりませんでした。
いつものことですが、「曖昧な姿勢」を貫くのが役所です。 この点は、どう考えても「おかしいこと」です。
建設業法を所管する国交省は、建設業法違反に対しては取締りを強化すべきと考えます。
その国交省の「建設業法違反を見逃さない」姿勢こそ、建設業界に最も大事なことと考えます。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F
TEL:03-6272-5572
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