裁判指揮する裁判官への効果的な書面作成|建築裁判・不動産裁判

query_builder 2024/04/04
コンサルティング
YDS

建築裁判では、一級建築士が作成した建築調査報告書や意見書・陳述書が登場することが多いです。

中でに、「瑕疵の主張」などでは、損害賠償額の根拠として建築調査報告書が重視される傾向があります。

この一級建築士が作成した建築調査報告書を手にした代理人・弁護士は、

「よしっ!
これで、裁判官に強く訴求できる!」

と考えて、建築調査報告書をベースに訴状を作成すると考えます。


建築裁判・不動産裁判に詳しい弁護士の方もいらっしゃるようですが、多くの方は、

「建築・不動産に関する法規には
かなり詳しい・・・

設計図書や工事のことも多少わかるが、
自分で瑕疵を判断するのは難しい。」

が現実でしょう。

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一級建築士の中でも、設計専門の方、工事専門の方がいることが多く「設計と工事の両方が分かる」方は少数です。

さらに、住宅、マンション・集合住宅、幼稚園など学校、公共施設、ホテルなど多数のタイプがあります。

規模の大小もあり、一級建築士の業務も医師などと同様に「細分化される傾向」があります。

そのため、「設計・工事・法規・打ち合わせ・協議の全容を理解できる」一級建築士は非常に限られます。


ここで、「建築調査報告書」という強力な証拠を握った弁護士・代理人は、

「被告が設計した建物には、
こういう設計瑕疵があります!」

あるいは、

「被告が施工した建物には、
こういう施工瑕疵があります!」

と主張することが多いです。

これに対して、「書類・書証ベースで進行」する傾向が強い裁判では、裁判官は

「なるほど、書証・証拠と主張が
一致していて、合理性がありますね・・・」

と考える傾向があります。

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「建築調査報告書」という書証・証拠をベースに作成されている訴状。

他の分野の裁判等と比較すると、「書証・証拠との合理性」が高い傾向があると考えます。

すると、裁判官は、

「これは、原告の主張が
正しいように感じるが・・・」

多くの場合、「書証・証拠との合理性」が高い訴状は「極めて強い」傾向があります。

この事実は、法曹関係者の方から見れば「当然のこと」かもしれません。

一方で、私たち一級建築士・建築専門家、あるいは一般の方の視線から見れば、そもそも、被告を訴えるために作成した建築調査報告書です。

被告・代理人の主張をベースにして、建築調査報告書は作成されているのも現実です。

そのため、私たちの視点からすると、

「だから訴状と書証・証拠となる
建築調査報告書の双方が密接につながるのは当然では?」

と感じます。

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そして、建築のことは「よく分からない」裁判官は、

「建築調査報告書の写真を見ると、
多数の瑕疵がありそうだ・・・」

と考えるのでしょう。

写真というリアルなイメージは、強い説得力があります。

ここで、東京地方裁判所などには、裁判所から依頼されている一級建築士などがアドバイスするようです。

その一級建築士が「何をどう判断できるのか」の「判断の度合い」は、その方々が「どのような業務経験してきたか」によって大きく変わります。

一方で、「同業者が作成した調査報告書」に対しては、多くの場合、

「この調査報告書は、
正しそうです・・・」

よほど「気に入らないこと」がない限りは、大きくは反論しないでしょう。

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すると、裁判官は、

「裁判所の一級建築士が「正しそう」というなら、
概ね正しいんだろう・・・」

となるであろうことは、おおよそ予測出来ます。

このように、「理解できない」裁判官と「おおむね是とする」裁判所の一級建築士によって、

「原告の主張が
正しいと考えて、裁判を進める!」

となりがちな裁判。


ところが、この「建築調査報告書」には多くの場合、問題や誤りがあることがあります。

建築の設計は、従うべき法律などがありますが「一品生産」であり、自動車や工業製品とは異なります。

そのため、判断は「ケース・バイ・ケース」になることが多いです。

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それにも関わらず、建築調査報告書では、

「この施工は、〜であるべきであり、
〜となっていないから瑕疵だ!」

という主張がたくさん見受けられます。


実際、建築調査報告書内の主張は、作成者の「思い込み」であることもあります。

中には、作成者・建築士の方の「明らかな勘違い」が見受けられることもあります。


裁判で建築調査報告書が登場した時は、経験豊富な一級建築士にしっかり判断してもらうと良いでしょう。

そして、しっかりとした意見書作成を依頼した方が良いと考えます。

場合によっては、意見書のみでは訴求力が弱い面があるため、しっかりと経験豊富な一級建築士にサポートしてもらうのが良いでしょう。

相手の反論にも即反論できるように、信頼できる一級建築士に常に相談するのが良いと考えます。 一般的な損害賠償裁判と大きく異なり、「書証・証拠が理解できない」のに進行する建築裁判。

本来であれば、「書証・証拠の真贋性・妥当性」も裁判所が判断すべきだと考えます。

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