建設業法違反の工事見積書が「証拠」となる裁判の現場〜偽造した契約書の実態〜|建築裁判・不動産裁判

query_builder 2023/12/22
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建築裁判に提出される工事見積書は、書証・証拠として大きな力を持っています。

その書類の内容は裁判官は理解できないものの、細かい項目と数字が羅列されていると、信憑性が増すからです。

そして、その「工事見積書」はゼネコンや建設業者に裁判のことを伝えると、

「裁判には関わりたくない・・・」

という意志があるので、見積書を作成してくれる会社は、ほぼないでしょう。


この場合、建築瑕疵を調査する一級建築士の方々が作成することが多いです。

ところが、彼らは工事に関してはプロではありません。

そのため、その「建築士作成の工事見積書」の信憑性は非常に疑わしいのが実情です。

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このある一級建築士が作成した「工事見積書」は疑わしいですが、まだ良い方だと考えます。

もっとひどいケースになると、工事見積書とセットで偽造した工事契約書を書証・証拠として提出する弁護士がいます。

おそらく、原告側の弁護士は

「損害賠償額の
根拠としては、見積書も良いが、

工事契約書であれば、さらに信用性が増すだろう」

と考えると思われます。


この時、ある方を被告とする建築裁判で、原告と第三者の建設会社・ゼネコンで工事請負契約書を結ぶケースがあります。

このケースは「工事を行うとしたら、これだけの損害賠償額が発生」ではないです。

被告に対して、

「被告のせいで、これだけの工事が
発生したのです。」

と既成事実を作成して、被告に損害賠償額を請求するケースが現実にあります。

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つまり、「被告は知らない」のに原告と第三者で工事をでっち上げて、「工事請負契約書を締結」するケースです。

見積書だけでも裁判官は、

「きちんと数字が書かれていて、
算定根拠が明確だ・・・」

と高く評価する傾向があります。

その見積書に契約書がセットになると、

「原告と第三者で契約が結ばれているから、
これは事実だ」

と裁判官は事実認定する傾向が強いです。

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この「裁判官の思考」を知っている弁護士は、

「損害賠償請求の
根拠となる契約書を作ってください」

と原告関係者に要求するのでしょう。

この時、

「いや、あれは時期的には
もう終わっていますが・・・」

と関係者が言っても、

「終わっていても良いので、
工事契約書を作成してください!」

と要求することがあると考えます。

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建設業法第19条:工事請負契約書

建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

一 工事内容

二 請負代金の額

三 工事着手の時期及び工事完成の時期

五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法

十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法

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建設業法では、建築工事請負契約書に関して厳密に定めています。

さらに、国交省が発行している「建設業法に関するガイドライン」には、

「工事請負契約は、原則として着工前とする。」

と明記されています。

これは当然のことで、工事請負契約書は「工事着工前」でなければなりません。


「工事着工前」に契約が結ばれなければ、請け負った建設会社・ゼネコンは、

「工事はするけど、
きちんと代金をもらえるのだろうか・・・」

不安で仕方ないでしょう。

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ところが、実際にあったケースでは「工事着工後契約」の契約書が裁判所に提出されたケースがありました。

ひどいケースでは「工事完了後に工事請負契約書締結」という書類もありました。

こういう工事請負契約書をみると、私たちは一目見て分かります。

「これは、日付が工事が着工した
後なので、偽造した契約書だ」

と即座に分かります。

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なぜ「一目でわかる」かというと、理由があります。

それは、私たち設計者が設計図書を作成する時は、日付を非常に気にするからです。

図面は頻繁に変更になるので、「いつ作成した図面なのか」は非常に大事です。

私たちからすると大事な日付ですが、契約書の日付は小さな字で書いてあるので、裁判官は気づかないでしょう。

すると、明確に建設業法に違反している「着工後契約書」が裁判の証拠・書証となりうるのが現実です。

このような「明確な法律違反」である書類が証拠・書証となる裁判の現場。

早急に専門家が入って、証拠・書証の信憑性をはっきりと判定する必要があると考えます。


ところが、実際には書証・証拠の信憑性の調査は行われていないのが現実です。

このような「偽造書類」が裁判では証拠・書証として登場することがあります。

この「偽造書類」を叩くためには、早い段階で経験豊富な一級建築士に相談するのがベストでしょう。

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