証拠の信憑性を検証しない裁判の現実と勝ち方〜一級建築士の反論と科学者の反論〜|建築裁判・不動産裁判

query_builder 2023/11/08
コンサルティング
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工事現場(YDS建築研究所)

弁護士に依頼されて、建築裁判に関してコンサルティングをしております。

その際、様々な裁判の訴状・書証・準備書面に対して、建築のプロの視点から様々なアドバイスを行います。

依頼を受ければ、「専門家の意見」として意見書や陳述書を作成して提出します。

建築裁判の流れを見ていると、裁判官が「全く建築のことをわかっていない」ことが良くわかります。

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原告と被告の準備書面から裁判の進行を見ていると、

「なにか全然
噛み合っていないな・・・」

と感じることが多いのが現実です。

裁判官は「原告・被告から提出された証拠書類を

もとに判断を下す」

というスタンスです。

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裁判官の方々は「法律のプロ」であり、建築の方が全く分からないのは、当然のことでしょう。

それは止むを得ないと思いますが、ある程度は「裁判所側で専門家を用意して進行」すべきではないでしょうか。

裁判によっては、一級建築士などが「裁判官のアドバイザー」となることがありますが非常に少数です。

多くの裁判は、弁護士が

「この点に関しては、不知」

と主張すれば、反対側の弁護士は

「この点は

このようなことから否認」

と弁護士同士が準備書面でやり合います。

そして、それらを主張する書面をもとに裁判官は粛々と進行します。


そして、裁判官は「それでは、これらの論点をもとに、
次回は原告が書面を出してください・・・」

「建築のことが分からない」ならば、「建築裁判の進行は出来ない」と考えるのが一般的かと思います。

ところが、「分からない」裁判官は原告と被告の書面をもとに判断を下します。

書面の整合性・合理性から、「原告と被告のどちらのストーリーが信憑性が高いか」を判断していると思われます。

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この「裁判官が分からない分野の裁判を進行する」のは、裁判の性質上止むを得ないとも言えます。

建築に限らず、様々な裁判が行われているのが現実です。

その中、裁判官がその分野を「分かる」か「分からない」かを前提にすると、裁判官が不足するでしょう。

この「準備書面等をもとに進行」することは理解できますが、非常に不可解な点があります。

それは「提出された書証が正」と見做して裁判が進行することです。


原告の主張は「審査対象」となりますが、甲第25号証などの「書証(証拠)」は正として扱われます。

そして、様々な建築裁判を見ていると、

「この書証の工程表は、
明らかにおかしい・・・」

と感じる書証も多々登場します。

あるいは、裁判である以上「損害額の主張」が大事なので、損害額が証拠として提出されることが多いです。

「この見積書は
非常に不自然だ・・・」

と感じる見積書もあります。

ところが、これらの書証や証拠は「正しい書類」として扱われて、その真偽が審査にはならないのです。

これは、物理的に考えて非常に不合理だと思います。

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この「証拠や書証の信頼性を審査せずに正とする」ことは、非常に問題点があると考えます。

例えば、殺人などでDNA鑑定によって犯人が特定されることがあります。

その際は、科学者が

「DNA鑑定から、
被告が犯人であることは明らか!」

と科学者が主張し、この主張をもとに弁護士が文章を展開するのでしょう。

この「科学的根拠」は100%正しいと考えられますが、「100%正しい」のは難しいでしょう。

中には、反対側の科学者が

「このDNA鑑定はおかしい!
〜の点がおかしく、データもまた不整合がある」

という主張を別の科学者が展開することもあるでしょう。

こうした場合の具体的実例は知りませんが、一つの例として「専門家の意見の衝突」はあるでしょう。

この場合は、おそらく「双方の主張をもとに証拠の審査」がされるのではないでしょうか。

建築裁判においても、本来ならばこのような「専門家の意見の衝突」があるべきだと思います。

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「この見積書は
非常に不自然だ・・・」

と考えた結果、「なぜ不自然なのか」や「法律に抵触する可能性」を建築士として指摘することがありました。

「〜の法律に照らし合わせて、
この見積書は違法の可能性があります・・・」と意見書にまとめました。

裁判官は「違法の査定」を下すことは非常に稀のようなので、

「違法かどうか」が、焦点にならないのはやむ得ません。

ところが、建築の専門家として私が主張したことに対して、相手の弁護士が、

「必ずしも
〜とは限らない・・・」

というような反論を下すと、「曖昧な空気」になります。

この「必ずしも〜とは限らない」みたいな「100%ではないが・・・」という論法で反論されると、裁判官は、

「専門家の意見は尊重しますが、
相手弁護士が反論しているので・・・」

という感じになりがちです。


本来ならば、専門家である一級建築士の意見に対して、
「別の一級建築士は〜と主張していますが・・・」

であれば、「専門家同士の主張の戦い」となり、分かりやすいです。

そして、私もまた大いに反論しますが、弁護士が「必ずしも・・・」では、こちらは反論しようがないのです。

「このことは、建築現場や法に照らし合わせて、
確実に〜なのだが・・・」

と思っても、相手の弁護士が「あやふやな根拠なき反論」を展開すると、曖昧になって未消化状態となります。

海外の裁判の状況は分かりませんが、この日本の裁判の「専門家の意見を軽視する」姿勢。

この状況は、早急に是正すべきであるでしょう。

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このように「曖昧要素が非常に強い」建築裁判。

担当する弁護士は、原告であれ被告であれ、早い段階で経験豊富な一級建築士に書面・書証を全て確認してもらうのがよいでしょう。

そして、一級建築士の意見書・陳述書を裁判に活かすと良いと考えます。

上記の例は、当職は非常に困りましたが、最終的には「おかしい点」を何度も意見書と弁護士の準備書面で主張しました。

その結果、当方の主張が通り、裁判は大きく有利に動き勝訴に結びつきました。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F

TEL:03-6272-5572


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