建築裁判の実際とコンサルティング〜「勝てない」裁判の理由・問題点が多い「調査報告書」〜|東京の建築設計

query_builder 2023/07/26
コンサルティング
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東京(YDS建築研究所)

「法律のことは分かるが・・・ 建築基準法や

消防法、 建築士方には、それほど詳しくない・・・」 というのが現実であると考えられる裁判官の方々。

その裁判官の方々が、「分からないことが多い」建築裁判も「判決を下す」のが現実です。

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東京(YDS建築研究所)

いくつか建築訴訟に関するコンサルティングをしていると、弁護士の方から「勝てない」話を良く聞きます。

その「勝てない」理由は、裁判所に提出される「一級建築士による調査報告書」であることが多いです。

裁判の証拠・書証には、設計図書・見積書・工程表・工事写真などが多数提出されます。

ところが、裁判官たちは、

「設計図書・見積書・工程表・工事写真などを
見ても、全然分からない・・・」

のです。

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蚕糸の森アパートメント:工事現場(YDS建築研究所)

そこで、多くの場合、原告の弁護士は、一級建築士の資格を持つ調査会社に建物調査を依頼します。

調査員である一級建築士たちは、

「この建物は、〜の点が
大問題で、大きな瑕疵があります!」

と指摘します。

そして、弁護士は調査員=一級建築士に「建物に関する調査報告書」を作成してもらい、裁判所に証拠として提出します。


調査員=一級建築士の方々は、

「この建物は、〜と〜と〜など様々な
問題があり、施工者(被告)の過失です!」

という調査報告書を作成します。

この書類が「証拠」となります。

そして、調査報告書が証拠として提出されれば、裁判官は、

「設計図書・見積書・工程表・工事写真などは
全然分からないが、報告書の文章を
理解することはできる!」

と考えます。

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石神井公園の集合住宅:工事現場(YDS建築研究所)

調査報告書内には、様々な設計図書・写真等がありますが、裁判官にとって大事なのは、

「現場写真などは見ても分からないが、
専門家・一級建築士による調査結果の文章を重視!」

となります。 そして、多くの場合、「原告の弁護士の方針に基づく」調査報告書が提出されているのが現実です。

私もこれらの「建物の調査報告書」を様々見ましたが、「瑕疵があること前提」で作成されていることが多いです。

中には、「建築実務・工事現場のこと」を全く知らないと思われるような記述もあります。

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石神井公園の集合住宅:工事現場(YDS建築研究所)

例えば、「断熱材の瑕疵」に関しては、「断熱材が貼れない・吹けない」場所にも、堂々と

「この部分にも断熱材があるべきなのに、
入っていません!」

と主張している「調査報告書」を見たことがあります。


こういう「建築実務・工事現場の実態」を全く知らない報告書に対して、裁判官は、

「そうか!
そんなに大問題があって、瑕疵があるのだな!」

と判断するのでしょう。 すると「勝てない」裁判になってしまいます。

それでは、勝つためにはどうすればよいのか、というと、それらの証拠の調査報告書の矛盾点をつくのが効果的です。

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石神井公園の集合住宅:工事現場(YDS建築研究所)

弊社は、様々な建築・不動産裁判のコンサルティング経験があります。

裁判の当事者、あるいは代理人の弁護士の方からご一報いただきましたら、一度、ご相談に乗ります。


建築裁判は訴訟額が非常に高額になる傾向にありますが、大きな反撃になる意見書を作成できます。

お困りの方は、ぜひ一度ご連絡をいただければと思います。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F

TEL:03-6272-5572


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