戸建住宅リノベーション工事・プロセス 2〜練馬の家・設計コンセプト・解体工事・リノベーションの対象・既存構造・軸組〜|東京の建築設計
練馬の家:解体工事(YDS建築研究所)
練馬の家の解体工事が、だいぶ進みました。
マンションのリノベーションでは、サッシュや玄関ドアは「共用部」の扱いになります。
そのため、フルリノベーションであっても、サッシュ等はリノベーションの対象外となります。
マンションのリノベーションは、既存のボリュームの中で設計・デザインします。
内部の「フルリノベーション」を依頼された練馬の家。
練馬の家:既存の状況(YDS建築研究所)
設計の最初の段階で、建主とはご要望・スケジュール・コストの話をします。
建主からは、
「〜くらいの費用で、
内部を全部リノベーションできますか?」
という質問があり、
「大体坪単価が〜万円程度ですから、
〜万円ほどが工事予算となります。」
とお答えすると、
「少し予算より高いですが、
内部をしっかりリノベーションして下さい。」
というお話をいただき、
「しっかり、住み心地の良い住まいにします!」
コスト・スケジュールの方向性を固めた上で、具体的設計に取り掛かります。
練馬の家:既存の状況(YDS建築研究所)
1階のリビングの脇にあった、お庭に注目しました。
とても良い雰囲気のお庭でしたが、リビングとつながりが、あまりありませんでした。
「この庭の
空間を活かしたい!」
と考えました。
増築も検討していた建主からは、
「庭の部分に
増築すると、広くなります。
工事費用が、どの程度になるか、検討お願いします。」
というご要望を頂きました。 建主の希望もあり、「既存庭の増築」も検討しました。
構造の検証・構造設計のハードルが非常に高く、相応の工事費がかかることが想定されます。
さらに建築確認申請が必要となりますので、設計のプロセスで手間・費用が上がります。
練馬の家:模型(YDS建築研究所)
「増築も面白そうですが、
庭の空間を
活かしたいですね。」
「庭を活かすデザインにしよう!」
「リビングのサッシュを大きくし、庭に大きな
「木のテラス」をつくろう。」
「リビングと庭の空間を、
一体化しましょう」
練馬の家:コンセプト(YDS建築研究所)
「アウトドアのリビング空間」をつくるコンセプトになりました。
「あるもの活かして、ないものつくる」です。
これこそ、リノベーションの醍醐味です。
既存サッシュのあった部分の開口に、大型の片引き窓を設置します。
窓の大きさがさらに大きくなり、庭と内部空間がつながります。
練馬の家:解体工事(YDS建築研究所)
解体工事の結果、柱や梁などの木造の構造は、大きな損傷がありませんでした。
既存の木造の構造を、しっかり活かすことが出来そうです。
これは、とても良かったです。
築30年近い経年劣化を考えると傷んでいる部分が一部ありましたが、構造的な大きな補修は不要の見込みです。
練馬の家:解体工事(YDS建築研究所)
昔の家によくある真壁構造ですので、柱がかなり切り欠かれています。
このような箇所は、部分的に補強します。
このような「部分的補強」も、大工さん・職人さんたちの「腕の見せ所」です。
現地調査や工事の際の写真から、「大きな構造補強は必要ないだろう」と、想定していました。
それが、「想定通り」で一安心です。
予定外の大きなコストが、掛からなくて良かったです。
建主もホッとしていました。
シンプルな箱型の空間が「木の温もりや自然が感じられる、光あふれる空間」へと変化してゆきます。
次回は、構造補強の話です。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F
TEL:03-6272-5572
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