損害賠償請求のポイントと一級建築士への相談〜難しい慰謝料獲得・綿密で具体的な意見書〜|東京の建築設計から

query_builder 2020/10/10
コンサルティング
YDS建築研究所

戸建住宅設計においては、完成した後にトラブルが発生することがあります。

多くの理由は、「建て主の考え」と「設計者の考え」の食い違いです。

「住まいは私たちの希望通り建てて欲しい」という要望が、他の建物よりも強い戸建住宅設計。  


「建て主の考え」と「設計者の考え」のすれ違いに起因するトラブルの相談を多く頂きます。

建築家・設計者としては「吹き抜け」をつくることは、デザインの一つのポイントです。

天井が高く、伸び伸びとした空間となり、自然の光が差し込んでくる空間イメージを、建築家達は大事にしています。

私たち建築家・設計者にとっては、「夢が膨らむ」吹き抜けの空間。

ところが、吹き抜けの空間には様々なデメリットがあるのが現実です。

例えば、「エアコンがききにくい」というデメリットが大きいと考えられます。


ある戸建住宅で、弁護士の先生から依頼を頂きました。

階段(室)がリビングと一体となって、広がりのある空間を設計・工事して引き渡した後、トラブルが発生しました。

冬に「階段室から吹き抜けを通して暖気が逃げてしまい、エアコンをどんなに効かせても、とても寒い」という話です。


早速、弁護士の先生と共に現地で建主に話を聞きました。

そこでわかったことは、「建て主の考え」と「設計者の考え」のすれ違いでした。

建主としては「話が違う」や「慰謝料が欲しい」という話が出てきます。

ところが、「慰謝料が欲しい」は、なかなか認められることはありません。

「被害者」である建主側にとって、「慰謝料が欲しい」気持ちは分かります。

ところが、「証拠や書類ベース」の現実の裁判では獲得が非常に難しいです。

その理由は「根拠が不明確」だからです。

「こんなに寒いから、慰謝料として800万円欲しい」と主張したとします。

裁判では、「では、800万円の根拠はなんですか?」となります。

例えば「なぜ、500万円ではなく、800万円なのか?」を具体的に立証する必要があります。

この金額は、「建主側の感覚」なので金額の根拠を作成することは不可能です。

根拠がない場合、「根拠となる書面がない以上、認められない」となります。

この点を説明すると、建主も理解してくれました。


そして、具体的に何を軸に訴訟に出るか、という話になります。

建主としては「慰謝料はなくてもいい。この寒さを解消するように工事をして欲しい。」と主張します。

これは「工事の瑕疵」というよりも「設計の瑕疵」にあたります。

 「設計の瑕疵」を建主が主張しても、設計者が「設計時に十分説明して、建主に納得いただいていた」と主張することが多いです。

すると、議論は平行線となってしまいます。

お互いに根拠が薄弱で、平行線の議論となると、裁判官は「認められない」と判断します。


大事なことは、「設計時のプロセスの検証」です。

設計時に設計図書・CG等を用いて、設計者から建主に設計案が説明されます。

その経緯において「吹き抜けのメリット・デメリットの説明の具体性の有無」の検証が大事です。

そして、意見書という書面にしっかりまとめて、きちんと裁判官に説明することが大事です。

裁判官は「書面としてまとめられた内容でないと検討しない」という姿勢です。

実際の裁判所においては、弁護士はあまり話さないのが現実です。

原告・被告の弁護士が侃侃諤諤、議論をかわすと考えるのが、一般の方々の考え方です。

私たちも、弁護士から依頼されて、建築訴訟のコンサルティングを始めるまでは、そう考えていました。

実は、「書面に書かれている内容を裁判官が審査する」のが裁判です。


この家の訴訟においては、設計プロセスの綿密な検証しました。

そして、「建て主の主張の正当性」をしっかりと文章と資料でまとめて、信頼性が高い書類を作成しました。

「問題となること」に対して、その検証を一級建築士に依頼して、しっかりとした書面の作成を依頼することが裁判では大事です。

建築訴訟に詳しく、経験豊富な弁護士ならば、「設計・工事のことはある程度分かる」かもしれません。

ところが、「設計・工事に関する具体的な実務・法規」は、実際に実務経験豊富な一級建築士でなければ分からないのが現実です。

証拠をしっかり揃えるためにも、建築トラブル・訴訟では、早い段階で住宅設計の実績豊富な一級建築士と相談することが大事です。

----------------------------------------------------------------------

株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG