建築裁判・トラブル・瑕疵問題で「勝てない」場面から「勝つ」へ大きく逆転する方法〜「調査報告書」に適切に反論する一級建築士の意見書〜|東京の建築設計

query_builder 2020/10/05
コンサルティング
YDS建築研究所

住宅やマンションなどの施工瑕疵問題及び施工者と発注者(建主)の間のトラブルで、裁判になることがあります。

住宅やマンションなどの施工瑕疵問題では、原告側と被告側それぞれの方がいらっしゃいます。

非常に高額な損害賠償額となるケースが多い建築訴訟。

工事に関する訴訟などでは、損害賠償額が数億円〜となることも多いです。


原告であれば「数億円〜」を要求する側となりますが、「要求される側」である被告となった場合は、非常に大きな問題となります。

訴訟の相手が法人・個人、または法人・個人同時など様々な訴訟形態があります。

多くの場合は、施工会社などの法人を相手取り「億単位の損害賠償額」を訴え出ることが多い建築訴訟。

「原告が勝訴」となった場合でも、「全額が認められる」ことはほとんどなく、多くの場合は「1/3〜半額程度で和解案提示」となることが多いのが実情です。

「1/3〜半額程度」と言っても、元の値段が億単位である以上、かなりの金額となります。

そして、その経緯で代理人である弁護士の先生に支払う費用も高額になります。

そのため、建築訴訟で被告となった場合は、「なんとしても敗訴しない」姿勢が大事です。


多くの場合において、原告側が非常に細かく対象の建物を調査した調査報告書を提示してきます。

そして、様々な法令違反や施工瑕疵を並び立てて、「改修するためには、この程度の費用がかかる」という工事見積書がセットになっています。

この「工事見積書」が損害額の根拠となります。

根拠が大事であり、書類ベースである裁判において、「損害額の根拠」は非常に有効な書証となる傾向があります。

この「調査報告書」に対しては、裁判官が「調査報告書の内容を全て正」と扱う方向になります。


「調査報告書が証拠として提出」されると、裁判官がその内容を具体的に検討することはありません。

実は「建築の専門分野なので、裁判官は分からない」のが現実です。

それは、私たち建築士が「医学的な内容はほとんどわからない」や「最先端の物理学者が研究する宇宙物理の話はほとんど理解できない」ことと同様です。

裁判官が「高度に専門的な建築の知識・実務を元にした」調査報告書を理解できるはずがないのです。

そして、並行して100以上の訴訟を扱っていることが多いのが裁判官です。

「多数の書証を読むのは非常に大変」で 非常に多忙であり、「専門的で理解できない内容である」ために、「経験豊富な建築士が記載した調査報告書は正しい」として証拠となります。


この「様々な施工瑕疵・法令違反」が「正しい」となると、後は「損害賠償額を減額する」方向になります。

ここで「敗訴しない」で「できれば勝訴する」のが良いのですが、「和解案提示」となるケースが多いです。

そもそも、裁判官の視点から見れば「原告・被告の両方に問題がある」という視点があります。

そのため、「損害額をある程度調査して、一部を認めて和解案提示」となります。


まずは「調査報告書をつぶさに読み解いて、正しいか正しくないか」を検討する必要があります。

それには、正確に判断できる、経験豊富な一級建築士に相談することが最も重要です。

調査報告書には間違いがあることが多々あります。

法律の解釈と同様に、建築基準法や建築設計あるいは建築施工に関しては、様々な考え方があるのが現実です。

ところが、建築に関する「調査報告書」に記載されている内容は、非常に一面的なものの見方であることが実に多いです。


例えば、自動車の頑丈さを考えましょう。

自動車の「運転手・内部の方」を守るためには、自動車を構成する鋼鉄のグレードを上げる、鋼鉄の厚みを暑くすることが考えられます。

ところが、それらはコストアップにつながり、場合によっては燃費ダウンとなります。

それらのことは「消費者の視点からすれば、困る」のであり、「売り上げダウンとなると、メーカーも困る」のです。

そこで「安全性とコスト」のちょうど良いバランスを考えます。

そのため、「自動車の鋼鉄のグレード・厚み」に関しては様々な考え方があるでしょう。


建築設計・施工の現場も同様です。

例えば、「耐震性を重視」し過ぎると、どうしても鉄筋量が増え、コストアップして設計における自由度も制限がかかります。

そのため、「耐震性」に関しても「コストやプラントのバランス」が大事です。

施工現場においても「様々な性能や工事のコスト」のバランスが大事です。

ところが、調査報告書の一級建築士の方の考え方は「〜であるべき」という視点の方が多いです。

「一面的な発想・考え方」あるいは「誤った考え方」を具体的に一級建築士の方に指摘していただき、きちんとした意見書にまとめることが大事です。

それこそが、一気に逆転して、勝訴へ辿り着く第一歩です。

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