デザイン・設計とコストダウンのアイデア・戦略 2〜木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造の特徴〜|東京の建築設計
前回は、地震力が建物の重量によって、大きく変わる話でした。
建物の重量は非常に大きく、中でも構造邸・躯体の重量の比率が大きいです。
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の中で、
「最も耐震性が高いのは、鉄筋コンクリート造」
と考える方が多いかもしれません。
「文字通り、鉄筋とコンクリートで、 ガッチリした感じ。」
「一番頑丈で、耐震性が高いと思う。」
こういうご意見が多いと、思います。
鉄筋コンクリート造は、
「太い鉄筋+硬いコンクリート」で、確かに非常に強いです。
一方で、鉄筋コンクリート造には、大きなデメリットがあります。
それは、「鉄筋コンクリート自体が非常に重いこと」です。
鉄筋だけでも、非常に頑丈な感じする鉄筋コンクリート造。
さらに、コンクリートで固めた「頑丈な構造」です。
このコンクリートの重量が大きいため、地震力が大きくなります。
非常に頑丈なのですが、「重いため、地震力が大きくなる」という点も大きなポイントです。
そのため、鉄筋コンクリート造は、木造・鉄骨造に比べて、耐震性の面では、やや不合理な面があります。
鉄筋コンクリート造には、大きなメリットがあります。
それは「燃えないこと」です。
火に燃えないので、非常に耐火性が高く、鉄筋コンクリート造自体が「耐火構造」となります。
対して、木造と鉄骨造は「鉄筋コンクリート造よりも、比較的軽い」ため、地震力が弱くなります。
この意味において、木造・鉄骨造は、非常に合理的です。
しかも、木造は「自然の木」を使用する(一部は集成材)ため、「自然に優しい構造」です。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて、少し華奢な感じもする木造。
この華奢な感じで、建物をしっかり支えます。
構造体としてはスグレモノで合理的な、木造と鉄骨造は、非常に大きな弱点があります。
それは「燃えること」です。
そのため、大きな建物では「耐火性能を高める」ために、「耐火被覆(耐火性のある材料で覆う)」などの必要があります。
近年、建築技術の増強により、木造の大規模建築の方向性が出ています。
建物のデザインや計画地の地盤等によって、「強い耐震性」は変わります。
それぞれの特性をよく考えた上で、建物に最もあった構造体を、シンプルにつくること。
これが、合理的な設計で、適切なコストダウンを図る大きなポイントです。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F
TEL:03-6272-5572
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