House-O竣工写真撮影で思うこと〜シルエットと建築〜|東京の建築設計

query_builder 2023/05/01
戸建て
YDS

建築の写真でよく見かける、人物だけがブレてシルエットのようになるシーンがあります。

「あれは、人が走り去ったりしている
瞬間を捉えているのかな?」

と思っていましたが、違いました。


実際は、カメラのシャッタースピードを遅くして、動く人物を撮影するという手法でした。

「柱の間を歩いてみて。」

それでも、のんびり歩くとあまりシルエットの様にはなりません。

走るまでではなくとも、早歩きで何度も空間を行き来します。

YDS

「この撮影は、 ちょっとした運動になるな。」 と思った程、一日中動き回っていました。

「今度は、柱の間のこの辺りを、
蛇行してみて。」

カメラマンの方からのリクエストです。

「こんな感じですか?」

「うんうん。いいね。」

「そこの柱の辺りで、もう一度、色々な動きをしてみて。」

「こういう感じでは、
いかがでしょうか?」

「いいね。」

カメラマンの方が、たくさんの写真を撮影します。

緊張しながら、楽しみながら、柱の間を動き回りました。

カメラマンの方は、撮影モデルにもやる気を与えてくれる存在です。

YDS

「ちょっと、待ってくださいね。」

カメラマンの方が、おっしゃいました。

「ちょっと撮影した写真が多すぎて、電池が切れました。」

「電池交換するから、少し待ってください。」

ここで、カメラマンの方が電池交換する間、小休憩です。

「この時間で、
こんなにたくさんの建築撮影したのは初めてです。」

カメラマンの方が「たくさん撮影する気になる」のは、設計者として、とても嬉しいことです。

YDS

「竣工撮影だけど、
村木さんの撮影会みたいだね。」

という声に、カメラマンの方は、

「ははは。確かにそうですね。」

「良い写真、
たくさん撮りますよ!」

「嬉しいけど、
緊張するな・・・」

と緊張しながらも、たくさんの動き回る写真を撮影して頂きました。

YDS

ここで、少し生活感・スケール感を出してみました。

生活感・スケール感を捉えるという点では、棚に本を並べる事も見せ方の一つです。

表紙が美しい建築の本などは、写真で映えるということもあります。

本を置くことで、本棚のサイズ・空間のスケールが把握し易くなります。

「この辺りに、
この程度でいいですか?」

「もう少しこっちにも
置こうか。」

ここで、カメラマンの方から

「その作品集の本を読んで、
足をここにして。」というリクエスト。

「こんな感じですか。」

「そうそう。いいね。撮りますよ!」

YDS

レイアウトなども考えながら配置します。

時間をかけてようやく出来上がったプロジェクトを、改めて目の当たりにすると感慨深いです。

その為、一つ一つの撮影にもとても強い思い入れがあります。

YDS

思いを形にして表現する、それが誰かの為になるという事は、

非常にやりがいを感じます。

私たちも建て主も、この建物が出来て良かったと思えるような設計を、これからも続けたいです。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


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