姫路の城下町:野里 2〜町家の土間と裏庭〜

query_builder 2022/04/24
日本紀行
野里11m

こんにちは。

前回の野里の街並のご紹介の続です。

町家の内部空間についてです。

内部は建築学科の学生たちによって、改修されて今は集会所として使われているとのことでした。

畳が貼り替えられたり、新しくなっているところもありました。

家具や階段などは当時のままとのことです。

昔はこの階段と畳の間は襖で仕切られていたとのことで、建具枠が名残としてあります。

そして収納を兼ねた階段は一段一段の高さ、蹴上がとても高いつくりでした。

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2階の吹抜けから見下ろした写真です。

左に畳の間、右に土間が広がり、土間をそのまま進んでいくと裏庭に出ます。

この吹抜けは、荷物の昇降の為に設けられたそうです。

この地域の昔の町家のつくりは一様で、通りに面して建物が並びます。

そして、一階は店舗、二階は住宅という間取りになっていたそうです。

一階は店舗と土間が襖で仕切られ、土間は入口から奥まで続きます。

奥の扉を出ると、裏庭があるという配置になっていたとのことです。

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お話をしてくださった方は

「小さい頃、帰ってくると、ただいまー!と言って友達と土間を走り抜けて裏庭へ行きました。

そして、友達は家の人とは特に顔を合わさずに帰っていく、そんな感じだったよ」

とおっしゃってました。

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今は、裏庭でワークショップなどを行っているそうです。

デッキなどをつくったり、新しい空間が作られています。

縁側など当時の名残がありここでの生活像が見えてくるようでとても興味深かったです。

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二階へ上がると、当時の天井の位置などが記録されていました。

天井高が低かった部分を時代に合わせて高くしていったとのことです。

現代では頭がぶつかってしまう為、天井は剝がしてあるそうです。

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その為、小屋組みの様子がよく見えます。

時代を感じる古色で、明治時代あたりからの当時のままの物だそうです。

ヨーロッパの石造建築などは、「何百年前の物」と聞くことがあります。

木造でそんなに保存できるのかと驚きました。

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他には、虫籠窓(むしこまど)という縦格子のある開口がこの町屋の特色だそうです。

形や大きさが地域や時代によってことなるとのことです。

思いがけず古民家の見学をすることが出来て、とても勉強になりました。

突然の事に、後で

「もっと写真を撮ればよかった」

「こんなことも聞いてみればよかった」

と思うこともあります。

また訪れて見たいと思う場所でした。

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