日本の彦根城〜戦国の香りを残した道空間〜|滋賀・彦根城2・建築と旅
滋賀県の琵琶湖のほとりにある彦根城を訪問しました。
現存12天守
・姫路城(兵庫県姫路市)
・彦根城(滋賀県彦根市)
・犬山城(愛知県犬山市)
・松江城(島根県松江市)
・松本城(長野県松本市)
・丸亀城(香川県丸亀市)
・丸岡城(福井県坂井市)
・宇和島城(愛媛県宇和島市)
・備中松山城(岡山県高梁市)
・高知城(高知県高知市)
・弘前城(青森県弘前市)
・松山城(愛媛県松山市)
「現存12天守」という「昔の天守閣がそのまま残っている12の城」の一つが彦根城です。
徳川家康から期待され、文武両道だった井伊直政が初代彦根藩主です。
広大な領地を任された井伊直政は、大規模な城である彦根城を築きました。
ところが、関ヶ原の合戦での負傷が元で、41歳の若さで井伊直政は亡くなってしまいます。
73歳まで生きた徳川家康と比較すると、直政が早くに亡くなったことに、家康はかなりのショックを受けたでしょう。
そして、幕末の「桜田門外ノ変」で有名な井伊直弼に至るまで、井伊は「徳川の中核」であり続けました。
徳川幕府の首相格(将軍は総括的立場)であった中老を超える「臨時職」であった大老。
大老就任の人数は諸説ありますが、「江戸時代通じて13人のうち、7人が井伊」でした。
約270年の間、徳川家及び徳川幕府を支え続けた井伊家を体現するのが彦根城です。
規模は縮小しましたが、戦国期〜江戸期の香りを残している彦根城。
大きな堀に囲まれ、堀は琵琶湖と接続しています。
規模が結構大きいですが、城内を歩くと「より広く感じられる」のが特徴です。
現代の城は、ほとんどが再建であり、城周辺は「整備された公園」であることが多いです。
「整備された公園」であることが多い城は、見通しがきく計画であることが多いです。
対して、彦根城は「戦国の香り」を残しているので「戦いを意識した空間」となっています。
「城における戦い=籠城戦」では、敵軍が城にドンドン入ってくるのを防ぐために、道をかなり湾曲させて、中心の天守閣まで到達しにくいようにします。
湾曲した道は心地よい道空間でもあり、木造建築や雄大な石垣などを楽しみながら歩けます。
ようやく、天守閣の近くに到達しました。
間近で見ると、それほど大きな規模ではありませんが、「現代の目」で見ていることが大きな理由です。
この彦根城の本丸は、おそらく関ヶ原の合戦後まもなく建てられたと思われます。
つまり、1600年代初期に建てられたのが、この本丸です。
400年以上前に建てられた、木造の建築であることを考えると、かなりの規模です。
集成材もなかった当時は、純粋な木造で建築したので、施工を担当した大工たちは大変な苦労をしたと思われます。
いよいよ、天守閣の間近にきて、雄大な歴史を持つ彦根城の天守へと向かいます。
次回は、彦根城の天守閣内に入ってゆきます。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F
TEL:03-6272-5572
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