幼稚園の新築計画 1〜調査と対話から提案へ 〜|東京の建築設計

query_builder 2023/03/15
施設
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幼稚園:現地調査(YDS建築研究所)

今回は、少し前のプロジェクトで、都内の幼稚園の新築設計をお任せ頂いた話です。

都内にも関わらず、広大な敷地で大きな樹木もたくさんあり、非常に恵まれた計画地です。

幼稚園を訪れるのは、とても久しぶりです。

中学高校へは愛着があることもあり、大学生の頃、そして大学卒業後も何度か校舎を訪れる機会があります

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幼稚園:現地調査(YDS建築研究所)

幼稚園から小学校・中学校・高校と学校を進み、大学生になります。

高校までと大学はだいぶ雰囲気が変わりますが、学校であることに変わりはありません。

その意味では、大学生でも幼稚園児でも、学ぶ対象が大きく変わること以外は、似たようなテンションかもしれません。

いずれにしても、大学生までは「学校は身近な存在」です。

大学・大学院卒業後は教職に就く方以外は、学校は縁遠い存在になります。

「中高は、ついこの間も
OB会で訪れたけど・・・

幼稚園の園内に入るのは、
とても久しぶりだ。」

中学高校や大学と異なり、幼稚園から小学校の同級生で仲良し同士集まることはあります。

そういう時は、お店で集まることが多いので、中学校〜大学の同期会と異なり「園舎へゆく」機会は少ないです。

心なしか少し緊張気味になります。

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幼稚園:現地調査(YDS建築研究所)

設計・監理のご契約を頂いた後、初めての幼稚園の訪問です。

「失礼します。」と園舎に入ります。

「やっ、よく来たね。」

幼稚園を訪問し、園長先生にお会いして、今日は初めての現地調査です。

「建物がだいぶ古くなったから、
改築したいんだ。」

一部木造の古い園舎を建て替え、改築するプロジェクトです。

「最近人気が出て、
園児が増えてね。

新しい園舎は
少し大きく設計して欲しい。」

「承知しました。」とお答えしました。

早速、既存の園舎全体を見させて頂き、お話を伺いながら調査します。

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幼稚園:現地調査(YDS建築研究所)

たくさんのトロフィーが飾ってあります。

中には、サッカーの三浦知良選手直筆の色紙がありました。

「カズに
会った時に、描いてもらったんだ!」

園長先生は嬉しそうに話します。

「良い記念に
なりますね。」

一通り現地調査が終わりました。

そして、次回に設計の提案をすることになり、

「幼稚園は園舎だけでなく、
園庭が大事なんだ。

だから、園庭を
ぐるっと囲んで保育室を置いて欲しい。」

「承知しました。」

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幼稚園:現地調査(YDS建築研究所)

「広大な敷地に新たな建築をどう配置するか」が、まずは非常に大事です。

「ボリュームの配置検討」なので、「ボリューム・スタディ」と呼ばれることもあります。

新しい園舎は規模が大きくなるので、保育室の数も増えます。

「保育室は出来るだけ1階に配置」が原則ですが、2階以上の場合もあります。

「出来るだけ
園庭を広くしたい。」

と考えて、「保育室を1階のみに展開する案」「2階にも保育室がある案」など検討しました。


そして、次回の打ち合わせの際、園長先生に提案しました。

A案は、「保育室を1階のみに展開する案」です。

B案は、「2階にも保育室がある案」です。


設計案を見て、園長先生は

「うん。
まあ、それぞれ良いところがあるね。」


「・・・・・」

園長先生は考え込んでいます。

「園庭は日常も大事だけど、 運動会の時が最も大事なんだ。」

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「そうだ!

来週末に運動会があるから、見に来てほしい!」と園長先生。

「運動会に来てもらいたい」とのご要望です。

少し驚きましたが、

「とにかく、 実際に見てもらうのが良い。 決まった!必ず来てもらいたい。」

園長先生は、とても乗り気です。

「承知しました。」とお応えしました。

こうして、25年ぶりに幼稚園の運動会を訪れることが決まりました

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F

TEL:03-6272-5572


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