クリニック増築設計・計画:設計プロセス 7〜「設計だけではない」建築設計の現場・大事な様々な協議〜|東京の建築設計

query_builder 2024/09/30
施設設計プロセス
YDS

既存の計画地に新たに「軽油発電機を設置する」計画を進めました。

「軽油発電機を設置するなら、
置けば良いのでは・・・」

このように考える方もいらっしゃるかもしれません。

様々なメーカーから発売されている軽油発電機は、「設置すればすぐに稼働できる」製品です。

一方で、かなり大型の設備機器であるため、設置には建築基準法や消防法に適合させる必要があります。

YDS

「建築確認申請には
私たち所轄消防署の同意が必要です。」

建築確認申請の際には、全ての建築物に対して消防署による「消防同意」が必要です。


建築設計・計画の際の協議先(比較的大規模)

1.指定建築確認審査機関(法令解釈によっては所轄建築主事・建築審査(指導)課

2.所轄消防署

3.自治体(区・市等)


比較的大きな規模の建築計画では、自治体や指定建築確認審査機関との協議が先です。

一方で、今回は「少量危険物貯蔵庫」という扱いになるので、消防署との協議を優先しました。

消防署との協議は難航しましたが、

「『発電機を不燃材で囲う』計画ならば、
認められるかも知れません。」

なんとか「認められるかも」という状況に持ってゆきました。

YDS

「次に建築基準法に関する
協議をしよう・・・」

消防署との「消防法に関する」協議をまとめた上で、建築基準法の適合性を協議することにしました。


建築設計・計画に関連する法令

1.建築基準法・東京都安全条例など(東京都の場合)

2.消防法

3.自治体の条例など


建築設計・計画の際には、上記の三つの法令を満たす必要があり、「2.消防法」はクリア出来そうです。

「3.自治体の条例など」に関しては、事前に調査・協議の上、対象外になる見込みになりました。 最後の砦が「1.建築基準法・東京都安全条例」です。

YDS

具体的な建築計画の際には、指定建築確認審査機関と協議します。

建築確認のプロセスは民営化されましたが、建築主事及び建築審査課(指導課)との協議が重要です。

所轄地域の建築基準法に関する全権限を握っているのが、建築主事及び建築審査課(指導課)だからです。

ここで、非常に重要なポイントが「増築の扱いにならないようにする」ことです。

YDS

ここで、もし「増築なので、建築確認申請が必要」となってしまうと、大変なことになります。

「増築」ということは、「既存の建物と一体」として扱われるので、「既存の建物が建築基準法等の法令に適合している」必要があります。

これは、「すでに建物が建っている」以上「適法であることは当然」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ところが、すでに建っている建物が「適法かどうか」というと「適法ではない」可能性の方が高いのが現実です。

それは、「新築当時適法だった」としても、時間が経過するにつれて「必ずしも適法ではない状況」になることがあるからです。

そのため、「増築の申請」で「既存の建物が完全に適法であること」を示すのは、大変難しいことです。

さらに、「適法であることを設計図書で示す」必要があるため、建築設計上は非常に手間と時間がかかる傾向があります。

そのため、なんとか「増築=建築とはならない」計画で進めてゆく必要がありました。

いよいよ、建築指導課との協議などを経て、完成へ向かいます。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F

TEL:03-6272-5572


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