不思議な四万十川の沈下橋〜シンプルで力を受け流すデザイン〜|四万十川2・自然と建築

query_builder 2026/01/04
日本紀行
250815Shimanto-R447m

高知県西部にある四万十川を川下りしました。

岐阜県・愛知県の長良川、静岡県の柿田川と共に「日本三大清流」と呼ばれている四万十川の水質は綺麗です。

美しいほど綺麗な川の流れを持つ四万十川。

四万十川の流域長さは、四国一であり、日本全国で11位です。

250815Shimanto-R521m

川下りをしていると、他の川下り船にも出会います。

緑が美しい山々と水質が美しい四万十川の風景は、美しい日本の風景を代表する一つです。

250815Shimanto-R459m

四万十川にかかる橋を自動車が見えてきました。

よく見ると、不思議な橋です。

250815Shimanto-R533m

近くで橋を見た光景が、上の写真です。

驚いたことに、橋に手すり・ガードレールがありません。

この「橋に手すり・ガードレールがない」ことは、走行に危険が発生しますが、理由があります。

川下りの方の説明によると、

「四万十川には
いくつかの橋がかかっています。

その橋の中には、
ご覧の通り、手すりがない橋があります。

手すりがない橋は、『沈下橋』と呼ばれます。

沈下橋は、四万十川が
増水する際に、『沈下する』橋です。」

これらの「手すり・ガードレールがない」橋は、沈下橋と呼ばれ、増水の際に本当に沈下するようです。

250815Shimanto-R453m

慣れないと、少し危険であるように感じられる沈下橋。

「沈下する」ということは、増水した水の流れの大きな力を受けることになります。

これは、大変なことであり、増水のレベルにもよりますが、沈下時にはかなり大きな水圧が橋にかかりそうです。

昨年の増水の際には、沈下橋は、全て沈んだようです。

四万十川が増水した時は、「全て沈下する」こともある沈下橋。

増水した水の水圧を受けた際に、倒壊することを免れる必要があります。

そのためには、橋にかかる水圧の力を出来るだけ軽減する必要があります。

そこで、橋には手すりやガードレースをつけないことで、これらの水圧を軽減していると思われます。

いわば「力を受け流す構造デザイン」が、これらの沈下橋のシンプルなデザインです。

250815Shimanto-R510m

そして、確かに、この風光明媚は四万十川と四国の山々においては、シンプルなデザインの橋の方が望ましいです。

多少危険性が増しますが、出来るだけ「倒壊しない」ためのシンプルなデザイン。

そして、風景に溶け込むシンプルなデザイン。

鉄筋コンクリート造の「シンプルの極地」とも言えるのが、沈下橋のデザインです。

四万十川の沈下橋たちのシンプルデザインは、デザインの最も大事なことを教えてくれます。

四国方面を訪問する際は、ぜひ、四万十川川下りを体験してみてください。

----------------------------------------------------------------------

株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG