美しい街づくりと電柱の存在〜増えている日本の都市の電柱〜|日本の都市と街1
東京では、少しずつ電柱の地中化が進んでいますが、まだまだ電柱は多いです。
建築設計・デザインにおいては、いわゆる「見かけ」ばかりではなく、コンセプトやアイデアが重要と考えています。
デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー
・揺らめく自然
・有機的ヴォイド
・道空間
・都市広場
・多様なる共生
私たちの設計活動においては、上記の「デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー」を軸にしています。
設計の際、形から入ることはありません。
まずは、建主の要望をもとに、計画地の環境・風土・歴史を重視します。
それらの視点から、オリジナルなアイデアを考えてゆきたいと思っています。
その上で、上記の「デザイン・アイデアの5つのフィロソフィー」をもとに、コンセプトを練ります。
上の蚕糸の森アパートメントでは、目の前の大きな公園の樹木に囲まれて生活するイメージを考えました。
私たちは「アイデアやコンセプト重視の設計」ですが、やはり内部・外部共に「見かけ」は重要です。
「内部と外部の空間のどちらを重視するか」は設計者によりますが、一生懸命外観を練り上げても、
電柱があると、台無しの気持ちになります。
電柱一つあるだけで、建築の外観のイメージは大きく損なわれてしまいます。
世界の都市の無電柱化率(国土交通省)
世界の都市では、無電柱化が進められてきました。
特に欧州は、「都市や街の景観を美しく」という概念が強いです。
LondonやParisでは、無電柱化率100%です。
アジアは遅れている印象が強いですが、シンガポールは無電柱化率100%です。
そして、台北96%、ソウル50%に対して、東京は8%で大阪は6%です。
この数字を見ると、日本は後進国なのではないか、と感じてしまいます。
電柱本数の推移(国土交通省)
醜いだけでなく、震災の時には大変危険である電柱や電線。
実は、日本では電柱の本数が年々増加傾向にあります。
すでにある電柱や電線を地中化することは、工事が難しい面があると思います。
多額のコストがかかり、自治体や土地所有者の合意形成も難しい面があるかもしれません。
一方で、防災は建物単独では困難であり、建築や建物をどんなに頑強にしても、大震災の際に、路上に電柱や電線が落下するのは危険です。
ぜひ、国や自治体には、景観だけでなく防災の観点からも無電柱化を強く推進して欲しいです。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F
TEL:03-6272-5572
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