堀に映り込む天守閣が優美な今治城〜揺らぐ堀の水面と静謐な水面〜|今治城1・日本の城郭建築

query_builder 2025/10/26
日本紀行
250817Sada-Misaki744m

先日、久しぶりに今治城を訪問しました。

堀に天守閣などが映り込む優美な姿で有名な今治城は、「日本三代水城」の一つです。


日本三大水城

・今治城

・高松城

・中津城


水面に映り込む天守閣は、微妙に揺らぎ続けます。

水面をデザインに活用する建築は多数あり、多くの場合は静謐な水面です。

静謐でありながら、揺らいでいる堀の水面に映り込む天守閣もまた、揺らぎ続けます。


小田原城の堀も広く、建物が映り込んでいます。

小田原城などの堀と比較して、今治城の堀の水は青々と美しさが際立っています。

そして、堀に囲まれた天守閣や城郭が「堀のすぐ近く」にあるため、優美に天守閣が映り込んでいる今治城。

250817Sada-Misaki470m

建築デザインにおいては、静謐で静止したかのような水面の方が優美さを引き立てます。

それに対して、今治城の堀は「静謐でありながら、静止せず、揺らぎ続けている」点が良いです。

この「揺らぎ続ける水面」のために、天守閣などの映り込む像が生き生きとしています。

250817Sada-Misaki741m

このユラユラと揺らいだ感じが、今治城の優美さを引き立てていると考えます。

揺らいだ自然の雰囲気が、建築に動きを与えています。


動くことがなく、固定化している状態が建築です。

それに対して、この「水面の揺らぎ」が今治城の天守閣などの建築に生命感を与えています。

この今治城の堀の水面の揺らぎは、風などによって揺らいでいるだけではない点がポイントです。

250817Sada-Misaki484m

実は、今治城の堀はすぐ近くの瀬戸内海と繋がっています。

そして、潮の潮汐によって、瀬戸内海の海水が堀に入ったり出たりしています。

そのため、今治城の堀の水は、海水と堀の水が常に混ざっている、不思議な水となります。

このように「海水と堀の水が混ざり続けている」堀こそ、今治城の特殊性です。

250817Sada-Misaki485m

そのため、今治城の堀には、海と川の生き物が同居している貴重な環境となっています。

今治城の堀に映り込む天守閣などの建築の生命感は、これらの生き物たちによって生み出されるものなのでしょう。

次回は、堀に映り込む今治城を別の角度から考えてみます。

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