マンション・集合住宅の工事の流れ 6〜蚕糸の森アパートメント・頑丈に鉄骨で補強する土留工事〜|東京の建築設計

query_builder 2023/11/29
マンション
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掘削工事が進んで、建物の基礎を支える底盤(一番下)まで辿り着きました。



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地下に居住空間を持つ「蚕糸の森アパートメント」は、その分建物の基礎深さが深くなります。

基礎をつくるまえには、土を掘る必要があります。

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地下に居住空間がなく、基礎梁とピットのみの「石神井公園の集合住宅」と比較すると、だいぶ深いのが分かります。

土を深く掘ることは、かなり大変な作業であり、慎重に進める必要があります。

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掘削開始時から設置されていた土留のための鉄骨は、さらに補強されました。

この計画では建物周囲に比較的余裕がありますが、隣の建物の重量が隣の土地にかかっていいます。

掘り込んだ部分に、周囲の建物が倒れてこないように、しっかりと鉄骨で支えます。

前回の掘削開始の時から、建物の中央付近に鉄骨が補強されています。


こうしてみると、「建築工事」というより「土木工事」のように感じます。

鉄骨が縦横にかけられてガッシリと土留の壁を支えています。

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底面は綺麗にならされています。

底盤の配筋前に底面のレベル(高さ)を確認します。

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大きな建物をがっしりと支えるのが、この地面です。

地上4階、地下1階の建築であり、地面にかかる荷重は「5層分」の重量となります。

地盤にとっては「地上5階建と似た状況」になり、多くの場合は杭か地盤改良が必要です。

設計時には、

「これは地盤改良は
必要そうだな・・・」

と考えて構造設計者と相談しました。

杭や地盤改良など「土工事」には意外とコストがかかります。

そのため、出来るだけ合理的に設計することを心がけました。


構造設計者に念入りな検討を依頼した結果、

「詳細に検討した結果、地盤が良好なので、
地盤改良をしなくてもギリギリ構造設計可能の見込みです。」

「ギリギリ」ですが、「地盤改良は不要」とのことです。

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「地盤改良が不要なのは、コスト面で有利ですが、
「ギリギリ」で問題ないですか?」

と確認すると、

「構造設計の余力などを考えると、
安全性は十分と考えます。」

構造設計者からは、しっかりした回答を頂きました。

底面の地盤は、非常にきれいな関東ローム層です。


地盤改良すれば「地盤が強固になる」のですが、本来の地盤を人工的に固めることになります。

構造設計上OKなのであれば、「元々の地盤を大事にする」姿勢が良いと判断しました。

数百万円のコストダウンとなり、工期面でも有利になるので、大変大きなメリットでした。

次回は、底盤の配筋工事です。

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