新築賃貸マンション設計のアイデア 1〜利回りアップのデザイン〜|東京の建築設計

query_builder 2023/04/04
マンションアイデア
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蚕糸の森アパートメント

2021年頃から、建築業界では工事費が急に上昇しました。

的に強いインフレが進んでおりますが、日本もインフレ傾向が強くなってきています。

1970年〜80年台の高度成長期に匹敵する消費者物価上昇率となっています。

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原油価格、企業・消費者物価(日本政策投資銀行)

デフレ傾向にあった日本ですが、2021年初頭から原油価格が急上昇しました。

それに釣られるように消費者物価・企業物価共に上昇しました。

特に企業物価の急上昇は非常に強く、2021年中盤以降で、前年比150%を超えました。

さらに、その後も上昇を続け、2022年以降は前年比200%を超え、250%近くになっています。

つまり、企業物価としては「前年に100万円だったモノが今年は250万円」ということです。


この影響を建築業界も受け、建築コストは急速に上昇しています。

鉄筋、コンクリート、設備機器や建築工事に付随するすべてのコストが急上昇しました。

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石神井公園の集合住宅:工事現場

建築設計の際には、様々な要素を加味しながら進めてゆきます。

建主の要望・スケジュール・法規・デザイン性・コストなどを検討しますが、コストは最重要となります。

「来年4月から

設備機器の卸値が30%ほど上がります。」

弊社にも、設備機器メーカーの方から、大幅なコストアップの連絡が来ております。

設備機器・材料等の10%程度のコストアップでも、建築費に大きな影響が出ます。

それが「30%の卸値のアップ」となると、大変な影響です。

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石神井公園の集合住宅:工事現場

どんな建築でも、坪単価などで「およその建築費」をしっかりと把握しながら設計を進めることが大事です。

2020年頃までの「だいたいの坪単価」が、大きく変わりました。


例えば、鉄筋コンクリートの集合住宅では、坪単価が10~20%程度上昇しました。

多くは材料・機器類のコスト上昇がありますが、インフレ傾向に合わせて人件費も高騰しつつあると考えます。

誰しも「コストアップ」は困りますが、最も影響が大きいのは賃貸マンションの建築です。

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石神井公園の集合住宅

多くの建主が「銀行から必要資金を借入して、所有する土地に賃貸マンションを建築」します。

私たちは、これまで様々なマンション(集合住宅)を設計・監理させて頂きました。

建築費アップは「賃貸マンション建築」のスキームに重大な影響を与えています。

「利回り」によって、「建築を通して経済活動を行う」とも言える賃貸マンション事業。

分譲マンションもまた、「建築を通して経済活動を行う」面がありますが、賃貸は息が長いモデルです。

大抵は、30〜35年ほどのローンを組んで銀行から借入れます。

建主の持つ「自己資金」にもよりますが、これまでは低金利で工事費も安定していました。


それが、「金利が変動する可能性」が出てきた上に、工事費の大幅な上昇となり、大きな局面変化となりました。

基本的には「利回り=想定賃料/工事費」で考えます。

分母の「工事費」に設計監理費、保険料など様々な経費を含む場合もあります。

利回りがある程度確保されなければ、銀行融資が降りず、事業が進まないのが現実です。

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石神井公園の集合住宅:工事現場

合理的設計によって、デザイン性を確保しながらも工事費を抑制することが、まず第一です。

一方で、賃料は「相場」があるため、大きくは上げられないことが多いです。

そこにおいても、「デザインによって人気を出して、賃料を少しアップする」考え方ができます。

先日、弊社が設計したマンションの不動産管理会社の方と話をしました。

「御社が設計したあのマンションは依然高い人気があって、

築10年になりますが、賃料を
少し上げても入り続けています。」

とても嬉しいご報告です。


「5%賃料アップ」出来たら、大きな経済効果があります。

経済面でも大きな貢献ができるように、デザインを工夫し続けてゆきたいと思います。

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株式会社YDS建築研究所

東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F

TEL:03-6272-5572


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