法令違反建築物のリノベーション・増築〜建築基準法と設計・ポイント・建築確認申請を行なっていない建築物〜
本棚の家 2(YDS建築研究所)
戸建住宅の吹抜に増築した「本棚の壁」の設計・監理を行いました。
この増築・リノベーションの際は、建築基準法の規定で「建築確認申請が不要」でありました。
本棚の家 2(YDS建築研究所)
増築の建築確認申請は、「既存部分も含めた建築」として、申請する必要があります。
そのため、「既存建物」の確認申請・完了検査を受けていても、「改めて申請する」必要があります。
例えば、既存部分の構造・設備等が「現行法に適合しているか」を、しっかりと設計図書で記載する必要があります。
設備などの細かな規定も、現地調査によって「建築基準法の適合性」を確認します。
比較的難しいのが、構造設計の申請です。
既存建物に新たに増築部を追加した状況で、原則として再度「新築建物同様」の構造計算書作成となります。
審査機関によって、構造に関する設計図書作成の程度が変わります。
東京の街・都市(YDS建築研究所)
既存不適格建築物
・建築が完成した際は法律に適合していたが、その後の法律改正等により、不適合となった建築物
法令違反建築物
・建築基準法に適合していない建築物(高さ、建蔽率、容積率など)
既存不適格建築物・法令違反建築物もまた、「現行法に適合する様に」設計して建築確認申請します。
この「法令違反建築物」の扱いは難しいですが、さらに困難なのは「法律違反建築物」です。
法律違反建築物
・建築基準法に定められた、必要な申請を行なっていない建築物
「法令違反」と「法律違反」の違いに関しては、法律的な定義は曖昧ですが、ここでは、
・法令違反建築物=建築基準法等に適合していないが、申請は行なっている建築物
・法律違反建築物=建築基準法に定められた申請を行なわず、多くの場合、法律違反の部分がある建築物
と考えます。
完了検査実施率(国土交通省)
最近、増加し続けている「完了検査」を受けていない場合、法令違反の部分がある可能性が非常に高いです。
さらに、建築確認申請時の設計図書と、建築された建物の「形状等が異なっている」場合もあります。
このため、検査済証を受けていない「法律違反建築物」の申請における扱いは、多くの困難を伴います。
建築基準法の原則としては、「完了検査を受けていない建築物の増築等の申請は不可」となります。
ならば、「完了検査を受けていない建物の増築は不可能か」というと、
国土交通省が基準を示しており、
その基準に適合させる設計・申請であれば可能です。
ただし、相応の技術と法律解釈の力量が
建築士に求められます。
東京の街・都市(YDS建築研究所)
このように、非常に困難がある「完了検査を行なっていない」法律不適合建築物の扱い。
さらに、大きな問題のある建築物があり、それは「建築確認申請をしていない建築物」です。
高度成長期に開発が進んだエリアの戸建住宅などで、「建築確認申請をしていない建築物」があります。
建築基準法が制定・施行された1950年以降は、明確な「法律違反」となります。
以前、「建築確認申請を行なっていない建物」の増築の相談を自治体の建築審査課担当者としました。
「申請をしていない建物の
増築に関してですが・・・」と担当者に尋ねます。
すると、「ああ、『検査済証を受けていない建築物』ですね。それはですね・・・」
と素早く応じてくれました。
そのような問い合わせが、多い様です。
ここで、
「いえ、検査済証ではなく、
建築確認申請をしていないのですが・・・」
と私が話すと、途端に険悪な雰囲気になりました。
「建築確認を出していない、ですか・・・」
「それは、法令解釈の対象とはなりません。」
ハッキリと「対象にならない」という言葉で言われてしまいました。
つまり、建築審査課としては、
「『建築確認を出していない』のは、明快な法律違反で論外。」
というスタンスでした。
これは、遵法の立場である私たちとしても、当然の解釈と考えます。
新築時には建築確認をしていても、「増築時には建築確認を行なっていない」建物があります。
「増築の建築確認は既存部含めて」なので、本来は増築の際に「新たな建築確認で上書き」となります。
そのため、いかに「新築時に建築確認をしている」状況でも、「増築時にしていない」では「していない」ことになります。
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私たちが相談したのは戸建住宅であり、戸建住宅は「個人及び家族の範囲」であり「止むを得ない面がある」かもしれません。
一方で、「法律違反であり法令違反をしている(可能性が極めて高い)」建物は「問題だ」と考えます。
さらに大きな問題は、集合住宅・施設などの「不特定多数が出入りする建築」の場合です。
集合住宅・施設などを所有される個人・法人などの方は、一度「法律・法令適合」を確認されると良いでしょう。
もし、「建築確認申請をしていない状況」が発覚した場合は、早急に「適法化・合法化」を図るべきでしょう。
そして、自治体建築審査課の視線が、
「『建築確認を出していない』のは、明快な法律違反で論外。」
であることを理解し、一日でも早く早急に対応を取るべきと考えます。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田三崎町2-20-7 水道橋西口会館6F
TEL:03-6272-5572
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