耐震性と建築の話 4〜耐震性の高い構造・頑丈な基礎〜|東京の建築設計から
耐震性は建物全体で考えるので、主要構造物である柱・梁などの総合的な耐震性を考えます。
その際には、それら主要構造物の耐震性のバランスが非常に大事です。
バランスと同時に、地震力を受ける基礎の設計に大きな配慮をしています。
地面が揺れて、加速度が建物に伝わって、その加速度が地震力となって建物を揺らします。
その際に、建物が地面と繋がっている部分=基礎は非常に重要です。
基礎は地盤によっては、その下部に杭を設置することもあります。
地面からの揺れを受け止める基礎は、基礎梁という大きな梁を配置します。
そして、地面にドッシリと乗っかって、建物を地面の上で支えます。
阪神淡路大震災(Wikipedia)
大きな基礎梁が地面に食い込むように配置され、基礎梁は硬い地盤の上に乗っかります。
中層の集合住宅などの建物を設計する際には、基礎梁の下部をベタ基礎のように一体化するように設計しています。
蚕糸の森アパートメントでも、基礎梁の下部を厚いコンクリートの板としました。
基礎梁の下の地下スラブは、大きな基礎梁を配置すれば構造的には安定します。
今回は、地震の際に「建物の底面全体で地震を受ける」ように考えました。
そこで、構造設計者に基礎梁底面に大きなスラブ(コンクリートの板)を設置して設計して頂きました。
この構造形式の場合、単純に基礎梁を設置する場合よりコストアップとなります。
「設置しなくても良いコンクリート面を設置する」ためにコストがかかるためです。
コストがかかりますが、耐震性が大きく上がります。
また、ピットの配管などのメンテナンス性能も向上します。
長い目でみた時に、建物にとっては非常に大きなメリットとなります。
コストと建築の性能をしっかりと検討し、合理性の高い設計を心がけています。
株式会社YDS建築研究所
東京都千代田区神田神保町三丁目2番地 高橋ビル4F
TEL:03-6272-5572
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